ヘッドホン/イヤホン音圧規制マニュアル

ヘッドホン/イヤホン(以下ヘッドホン)の再生音圧から聴覚を守るため、ヨーロッパを中心にポータブルオーディオ機器の音圧規制が広がりつつあります。

 ヘッドホンは、人間の耳に直接装着して用いるものなので、従来からある様々な音響カップラを用いた測定方法では、実際の人間の聴覚に加わる音の特性とは隔たりが出来てしまい、正しい測定が出来ませんでした。

そこで実使用状態(実際に人間が使用している状態)に近い測定法として、HATSを用いる方法が提案され、実際に用いられています(例えばCENELEC規格 EN50332-1,-2など)。

しかし従来の測定法は10年以上も前に作られたものであり、現在普及しているイントラコンカ型やカナル型等のイヤホンを測定すると、測定結果の再現性があまり良くありません。

下図は、従来のHATS測定システムを用い、HATSの耳部にイヤホンを10回付けたり外したりして測定した結果の一例を示したものです(左: カナル型イヤホン、右:イントラコンカ型イヤホン)

Earphone即定例-1(515X207).jpg

それは、用いている耳(耳介モデル)の形状が、これらのタイプのイヤホン測定に向いていなかった(考慮されていなかった)からです。

そこで、ポータブルオーディオ機器はお家芸である日本の音響機器メーカ各社(JEITA 音響変換機器標準化Gp)が協力し、測定結果の再現性の良い新しい耳介モデルの提案を行い、一昨年IEC60268-7として国際規格化されました。

ここでは、ヘッドホン音圧規制に関して、この日本提案の新しい耳介モデルを世界で始めて搭載した SAMAR ( SAMURA) HATS をご紹介しながら、以下のような順番でヘッドホン/イヤホン音圧規制について詳しくご紹介してゆく予定です。

 1. はじめに
  様々な形状・動作のヘッドホン/イヤホン
  従来ヘッドホン/イヤホン測定技術の問題点 
 2. ヘッドホンの音圧規制問題とは
  ヘッドホン音圧規制の歴史 
 3. CENELEC規格 EN50332-1,-2について
 4. 従来ヘッドホン/イヤホン測定法の問題点と日本からの新提案 
 5. 日本提案耳介モデルとヘッドホン/イヤホン音圧測定結果の実際
 6. SAMAR HATS によるヘッドホン/イヤホン音圧測定の実際
 7. イヤーマフ、ノイズキャンセルヘッドホンの表示と評価
 8. SAMAR HATS によるノイズキャンセルヘッドホン評価の実際

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